
価格競争に巻き込まれないための“選ばれる理由”のつくり方
比較されるブランドから、“指名されるブランド”へ。
「最後は結局、価格で決まるんです……」
そんな声を営業・販促担当者からよく耳にします。
品質も対応も申し分ないのに、価格の安い他社に決まってしまう——それは、“選ばれる理由”が明確に伝わっていない可能性があります。
この記事では、価格競争に巻き込まれず、自社の価値で選ばれるために必要な「選ばれる理由のつくり方」についてご紹介します。
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なぜ“選ばれる理由”が必要なのか?
商品やサービスが市場にあふれる中で、選定の基準はどうしても「比較しやすい要素=価格」になりがちです。
しかし、顧客が本当に求めているのは「一番安いもの」ではなく、 “自分にとって納得できる価値があるかどうか”です。
その納得感を与えるには、「この会社である理由」「この商品でなければいけない理由」を言語化し、可視化することが重要です。
“選ばれる理由”をつくるための3ステップ
「違い」を言語化する
まず、自社や商品・サービスの特長を整理します。
・他社にない独自の視点や仕組みがあるか?
・顧客が気づいていない価値を提供できているか?
・見えにくいが、提供体制や対応力に差があるか?
スペックや数字だけでなく、「考え方」「姿勢」も違いになります。
例:「納品の速さ」よりも、「急な依頼でも断らず対応してくれる柔軟さ」など
顧客の“価値基準”で整理し直す
自社の強みを「自分たちの都合」で語っても伝わりません。
・顧客はどんな課題を抱えているか?
・どんな時に“ありがたい”と感じるか?
・競合との比較時に重視している点は?
こうした視点で整理し直すと、「価格よりも重視される価値」が見えてきます。
例:「安心して任せられる」「ミスが少ない」「長く付き合える」など
“体験ベース”で伝える仕組みをつくる
「いいことを言う」だけでは伝わりません。
・お客さまの声や事例に語らせる(レビュー・インタビュー)
・小冊子やパンフレットでストーリーとして紹介する
・営業トークの中に自然に盛り込む
“実感”として伝わることで、説得ではなく“納得”が生まれます。
よくある「選ばれる理由が伝わらない」ケース
・「対応力があります」と言うだけで、具体例がない
・ホームページや営業資料に差別化ポイントが記載されていない
・強みを「低価格」や「スピード」だけに絞ってしまっている
これでは価格競争の土俵に自ら乗ってしまうことに。
選ばれる理由は“伝える力”と“見せる工夫”がそろって初めて機能します。
まとめ:“違い”を伝えられる会社が、選ばれる
価格競争に巻き込まれないためには、
・自社の“らしさ”や提供価値を整理し、
・顧客の視点で再構築し、
・実感をともなうかたちで伝える
というプロセスが不可欠です。
“選ばれる理由”は、自社の内側ではなく、お客さまの心の中にある。
私たちは、自分たちが気づいていない「価値の種」を掘り起こし、言葉と体験で伝えていくことこそが、これからのブランディングと営業活動の要になると考えています。