ロゴデザインの落とし穴!やってはいけないブランドのNGデザイン
“なんとなく”で決めてしまうと、ブランドの未来に響く。
ロゴは、ブランドの「顔」とも言える存在です。
名刺、Webサイト、パンフレット、SNS、看板……。
あらゆる場面で企業やサービスを象徴し、初対面の印象を決める役割を担っています。
それだけに、ロゴデザインには十分な検討が必要です。
けれど実際には、見た目の好みや思いつきだけでロゴを決めてしまうケースも多く、結果としてブランドの印象を損なってしまうNGデザインが少なくありません。
この記事では、ブランド視点で見た「やってはいけないロゴデザイン」の落とし穴と、そこから学ぶべきポイントをわかりやすく整理します。
目次[非表示]
よくあるロゴのNGパターンとその理由
好みだけで決めた「なんとなくロゴ」
社長や担当者の好みで「かっこいいから」「今っぽいから」といった理由で選ばれたロゴは、ブランドの本質を表現できていない可能性があります。
ロゴは「見た目」だけではなく、
・ブランドのビジョンや性格
・ターゲットとの相性
・他社との差別化を反映する必要があります。
デザイン性が高くても、“らしさ”が伝わらないロゴは、ブランド構築において機能しません。
汎用的すぎるデザイン
ありふれたシンボル(抽象的な丸や線)や、無料テンプレート風のデザインは、一見シンプルですが記憶に残りにくく、他社と間違えられやすいというリスクがあります。
「誰にも嫌われない」ロゴは、誰の心にも刺さらない。ブランドの個性が埋もれてしまうため、むしろ“ちょっとクセがある”くらいがちょうどいいこともあります。
使いにくい・再現性が低い
複雑すぎる図形、細すぎる文字、繊細なグラデーションなどは、縮小したりモノクロで使ったときに視認性が落ちる/つぶれる/印象が変わるという問題を引き起こします。
また、印刷や看板、Webなど多様な媒体に対応できない場合、ブランディングの一貫性が損なわれる原因にもなります。
ロゴは「どんな環境でも一貫して使えるか?」まで考慮した設計が必要です。
ブランドの変化に追いつかないロゴ
創業時に作ったロゴが、現在の事業内容や顧客層とズレているケースもあります。
・新しいサービスや海外展開に合わない
・今の価値観やトーンと違和感がある
・時代遅れに見えてしまう
このような場合、ロゴリニューアルによってブランドの現在地と未来像をつなげ直すことが有効です。
私たちも、ブランドの変化に合わせた「進化型リニューアル」のご相談を多くいただいており、ロゴは“固定された記号”ではなく、“育てていく資産”と捉えています。
ロゴを“ブランドの武器”にするために大切な視点
では、ロゴを単なる「マーク」ではなく、ブランドを支える武器として活かすにはどうすればいいのでしょうか?
以下の3つの視点が重要です。
記号としての“わかりやすさ”+“らしさ”
ロゴはパッと見て「覚えられる」「認識できる」ことが基本。
そのうえで、
・企業のビジョンやカルチャー
・提供する価値
・ターゲットとの親和性といったブランド固有の要素をにじませることが重要です。
わかりやすさだけでは「差別化」にはならない。そこに“らしさ”を込めてこそ、意味あるロゴになります。
あらゆる媒体での運用を前提に
ロゴは、名刺やWebサイトだけでなく、SNSアイコン、スライド資料、Tシャツ、ノベルティ、看板、動画のエンドロールなど、想像以上に多くの場所で使用されます。
そのため、
・カラー、モノクロ、反転など多様な状態でのテスト
・最小サイズでの視認性確認
・媒体ごとの表示検証 など、実際の使用状況を見越した設計とガイドライン整備が求められます。
ロゴ単体でなく「ブランド全体との関係性」で考える
ロゴはブランドの入り口ですが、全体の世界観やトーン&マナーと切り離しては機能しません。
・キービジュアルや写真のスタイル
・書体やカラー展開
・コピーやストーリーとの連携
これらとロゴが一貫性をもって並ぶことで、ブランドの印象は初めて“強く、美しく、伝わる”ものになります。
まとめ:ロゴは「好み」でなく「戦略」で決めるべき
ロゴは単なる装飾や目印ではなく、ブランドの世界観や価値を一瞬で伝える“記号化された戦略”です。
NGデザインに共通するのは、「見た目」だけで判断してしまっていること。
リピートされる・覚えてもらえる・愛されるブランドになるためには、以下の視点が欠かせません。
・ブランドの“らしさ”がにじむか
・使いやすさ、再現性があるか
・現状と未来を見据えているか
ロゴはブランドの資産。
長く使うものだからこそ、見た目以上に“意図と設計”が問われるのです。
私たちは、ロゴを「つくる」だけでなく「育てる」ことを前提に、ブランド全体の設計の中でロゴの役割を位置づけていくことが大切だと考えています。