
デザインの「余白」がなぜ大事なのか?
見た瞬間に「なんだか読みやすい」「すっきりしている」と感じるデザインには、共通する“ある要素”があります。
それが、「余白」です。
ただの空きスペースと思われがちですが、余白は単なる装飾ではなく、情報を整理し、印象を左右し、伝わり方を劇的に変えるデザインの要です。
この記事では、「余白ってなにがそんなに大事なの?」「どのくらい取ればいいの?」と疑問に思う方のために、デザインにおける余白の役割と使い方のポイントを解説します。
目次[非表示]
- 1.「余白」とは何か?
- 2.デザインにおける余白の役割
- 2.1.情報を整理し、優先順位を伝える
- 2.2.読みやすさ・見やすさをつくる
- 2.3.洗練された印象・高級感を生む
- 2.4.感情の余韻をつくる
- 3.よくある“余白不足”のデザイン例
- 4.余白を活かすデザインのコツ
- 4.1.1. 要素の“まわり”に目を向ける
- 4.2.2. 情報は絞るほど余白が生まれる
- 4.3.3. 意図的に“間”をつくる
- 4.4.4. 出来上がったデザインを「一歩引いて」見る
- 5.まとめ:「余白」は、情報を“引き立てる”デザイン
「余白」とは何か?
デザインにおける余白とは、文字や画像などの要素が置かれていない空間のことを指します。
・行間や文字と文字の間(タイポグラフィ)
・見出しと本文の距離感
・要素まわりのスペース
・全体のレイアウト上の空き
一見「無駄」に見えるこの空間が、実は見やすさ・美しさ・伝わりやすさを生み出す鍵になっています。
デザインにおける余白の役割
情報を整理し、優先順位を伝える
余白を活かすと、何を見てほしいのか、どこから読めばいいのかが自然と伝わります。詰め込みすぎたデザインは、すべてが同じ“強さ”で目に入ってくるため、どこに注目すべきかが分かりづらくなります。
→ 余白は、「ここが大事」という視線誘導のサインになります。
読みやすさ・見やすさをつくる
人は、情報が密集していると無意識に「読むのが面倒そう」と感じてしまいます。余白があることで、文字の可読性や情報の“抜け感”が生まれ、視線の動きがスムーズになります。
→ 余白は「読みやすさ」の設計そのものです。
洗練された印象・高級感を生む
広告やパッケージで「上質」な印象を与えるデザインは、例外なく余白をうまく活かしています。ぎっしり詰まったデザインよりも、“あえて”空けることで、丁寧さや余裕、品格を演出できます。
→ 余白の取り方ひとつで、ブランドイメージは大きく変わります。
感情の余韻をつくる
情報を次々と詰め込むのではなく、余白をはさむことで「考える余地」や「印象の余韻」が生まれます。とくにブランド広告やブランディングツールでは、“何も言わない空間”が、時に最も多くを語ることもあります。
→ 余白は、伝えないことで「伝わる」要素でもあります。
よくある“余白不足”のデザイン例
・とにかく情報を詰め込みすぎて読みづらい
・見出しと本文の距離が近くて一体化して見える
・写真や文字が紙面ギリギリに配置されていて窮屈
・SNSバナーがごちゃごちゃして伝えたいことがボヤけている
→ こうした状態は、情報の魅力や伝えたいメッセージを弱めてしまいます。
余白を活かすデザインのコツ
1. 要素の“まわり”に目を向ける
文字や写真そのものではなく、そのまわりにどれくらいの空間があるかを意識してみましょう。
2. 情報は絞るほど余白が生まれる
「全部載せたい」気持ちをグッとこらえて、本当に伝えたいことを1つに絞ると、自然と余白が生まれます。
3. 意図的に“間”をつくる
見出しと本文、ブロックとブロックの間に、リズムを感じるようなスペースを置きましょう。
4. 出来上がったデザインを「一歩引いて」見る
仕上がったら、画面を少し縮小して見てみると、余白のバランスの良し悪しが見えてきます。
まとめ:「余白」は、情報を“引き立てる”デザイン
伝えたいことを伝えるには、何を伝えないか、どこに“余地”を残すかが重要です。
・見やすさ、読みやすさ
・情報の優先順位
・印象のクオリティ
・ブランドらしさ
これらすべてを左右するのが、「余白」の使い方です。
私たちは、言葉やビジュアルだけでなく、その“間”にこそ、デザインの本質が宿ると考えています。
次に何かをデザインする時は、余白にもぜひ意識を向けてみてください。
そこに、伝わり方を変えるヒントが隠れているかもしれません。