
価格競争が起きやすい業界こそブランディングを武器にするべき理由
「安さ」だけで選ばれる業界に、ブランドという選択肢を。
建設、印刷、製造、物流、IT開発、士業——こうした業界では、サービスや製品の差別化が難しく、「価格競争」が起こりやすいのが現実です。
中小企業であればなおさら、「他社より少しでも安く」「価格で勝てないと仕事が取れない」といった空気が日常的にあるかもしれません。
しかし実は、価格でしか差が出しにくい業界こそ、“ブランディング”を導入する意味が大きいのです。
この記事では、価格競争が起きやすい業界でこそブランディングを武器にすべき理由と、その実践方法について解説します。
目次[非表示]
- 1.なぜ価格競争が激しくなるのか?
- 2.ブランディングで変わる“選ばれ方”
- 2.1.価格以外の「評価軸」をつくる
- 2.2.顧客に「違い」を感じてもらう
- 2.3.長く付き合いたい存在になる
- 3.実践のヒント:価格競争から抜け出すブランドづくり
- 3.1.ブランドの「らしさ」を整理する
- 3.2.伝わる設計をつくる
- 3.3.お客さまとの関係性を見直す
- 3.4.社内にもブランドを浸透させる
- 4.まとめ:価格に頼らない「選ばれ方」を、いまから
なぜ価格競争が激しくなるのか?
まず、価格競争が起きやすい業界には以下のような特徴があります。
・サービスやスペックが似通っている
・顧客が違いを理解しづらい(情報の非対称)
・選定基準が「数字(価格・納期)」に偏っている
・比較サイトや見積依頼の文化が根付いている
こうした構造では、「安く・早く・無難に」こなせる企業が選ばれやすい傾向があります。
その結果、疲弊しながら仕事を取り合う状況になってしまうのです。
ブランディングで変わる“選ばれ方”
では、こうした業界でブランディングを武器にするとは、どういうことでしょうか。
それは、「何を売っているか」ではなく「誰から買いたいか」に視点をシフトさせるということです。
価格以外の「評価軸」をつくる
ブランドは、
・世界観(共感)
・姿勢(信頼)
・ストーリー(納得) という“見えない価値”を伝える手段です。
これによって「安さ」以外の選定理由が生まれます。
顧客に「違い」を感じてもらう
ロゴやトーン、営業資料、Webサイト、担当者の言葉づかい——あらゆる接点を一貫して設計することで、“なんとなく良さそう”ではなく、“ここは他と違う”という印象をつくることができます。
長く付き合いたい存在になる
価格だけの関係では、取引は一度きりになりがちです。
一方、ブランドを育てている企業は、
・丁寧に向き合ってくれそう
・他にない価値を届けてくれそう
・この先も一緒にやっていきたい
といった“感情的なつながり”を育てやすく、結果としてリピートや紹介、パートナーシップにつながりやすくなります。
実践のヒント:価格競争から抜け出すブランドづくり
ブランドの「らしさ」を整理する
・自社の強みや文化、想いを掘り下げる
・経営層と現場で共通認識をつくる
伝わる設計をつくる
・営業資料やパンフレットをブランド視点で再設計
・WebサイトやSNSでも世界観を統一
お客さまとの関係性を見直す
・提案型の営業に切り替える
・単発ではなく継続的な支援を目指す
社内にもブランドを浸透させる
・社員が「どんな会社でありたいか」を語れる状態に
・インナーブランディングの強化
まとめ:価格に頼らない「選ばれ方」を、いまから
価格でしか差が出せない——そんなふうに感じる業界にこそ、ブランディングは効きます。
・会社の“らしさ”を磨き
・それを言語化、ビジュアル化し
・顧客と社員に一貫して伝えていく
このプロセスを通じて、「安いから選ばれる」から「この会社だから選ばれる」へと転換していくことが可能です。
ブランディングは、価格競争に疲弊する日々から抜け出すための“戦略的な武器”。
今こそ、自社らしい価値で勝負する体制を整えていくタイミングではないでしょうか。