
ブランディングが弱いとどうなる?よくある失敗例と改善策
“いい商品なのに売れない”は、ブランディング不在のサインかもしれない。
「うちの商品は品質に自信があるのに、なぜか選ばれない」
「認知はされているはずなのに、印象に残らない」——。
そんな悩みの背景には、“ブランディングが弱い”ことによる機会損失が潜んでいるケースがあります。
ブランディングとは単なる「かっこいいロゴ」や「おしゃれな見た目」ではありません。
企業やサービスの“らしさ”を正しく伝え、共感と信頼を得るための設計です。
この記事では、ブランディングが弱いことで起こりがちな失敗例と、それをどう改善すべきかを整理して解説します。
目次[非表示]
- 1.よくあるブランディングの失敗例
- 1.1.「何をしている会社か」が伝わらない
- 1.2.「どこにでもありそう」と思われてしまう
- 1.3.発信の内容・トーンがバラバラ
- 1.4.一度作っただけで止まっている
- 2.ブランディングを強化するための改善策
- 2.1.自社の“らしさ”を言語化する
- 2.2.情報設計を見直す
- 2.3.一貫したトーン&デザインを設計する
- 2.4.ブランドの“棚卸し”と定期的なアップデート
- 3.まとめ:ブランドの弱さは“伝え方の弱さ”
よくあるブランディングの失敗例
「何をしている会社か」が伝わらない
会社案内やWebサイトを見ても、業種やサービス内容が曖昧で「結局、何ができる会社なの?」と疑問が残るパターンです。
特に複数事業を展開している企業では、情報の整理ができていないと、受け手は迷子になります。
・キャッチコピーや事業紹介が抽象的すぎる
・専門用語が多く、初心者に伝わらない
・ビジュアルと中身に一貫性がない
「どこにでもありそう」と思われてしまう
自社の強みや独自性が打ち出されていないと、他社との違いが見えず、価格や機能でしか比較されなくなります。
・ロゴやトーンが汎用的で印象に残らない
・他社のマネのようなデザインになっている
・商品説明が機能や価格ばかりに偏っている
結果として、「なんとなく選ばれない」状態に陥ってしまいます。
発信の内容・トーンがバラバラ
SNS、Webサイト、営業資料などの発信が各担当者の感覚任せになっていると、ブランドの印象が媒体ごとにバラつき、信頼感が損なわれます。
・SNSではフレンドリー、パンフレットでは堅苦しい
・ロゴの使い方や配色がバラバラ
・書体、言葉づかいに統一感がない
統一された世界観がないことで、ブランドとしての“人格”が曖昧になってしまうのです。
一度作っただけで止まっている
「数年前にロゴやツールは作ったけど、そのまま更新していない」——。
こうしたケースでは、ブランドが現状や環境の変化に追いついておらず、情報が古く見える・信用を失うリスクがあります。
・実際の事業内容や顧客層と乖離がある
・デザインが古く見える(スマホ非対応など)
・表現が時代や価値観にフィットしていない
ブランディングは“つくって終わり”ではなく、“育てていくもの”です。
ブランディングを強化するための改善策
それでは、上記のような失敗を回避し、ブランドの力を強くするためにはどうすればよいのでしょうか?以下に、実務で取り入れやすい改善のヒントをまとめます。
自社の“らしさ”を言語化する
ブランドの核となる「らしさ」を明確にするには、次のような問いが有効です。
・私たちはどんな価値観を大切にしているか?
・競合と決定的に違う点は何か?
・どんな印象を持ってほしいか?
ここでの答えは、キャッチコピーやビジュアルだけでなく、企業全体の行動や伝え方の軸になります。
情報設計を見直す
複数の事業やサービスがある場合でも、整理のしかた次第で「わかりやすく・印象に残る」構成にできます。
・主要サービスを3つ程度に絞って紹介する
・事業カテゴリーを色分け、構造化する
・代表的な事例を冒頭に置く
ユーザー視点での見やすさ・理解しやすさが、ブランドの伝わりやすさに直結します。
一貫したトーン&デザインを設計する
誰が発信してもブランドの世界観が守られるように、ガイドラインを設けるのも有効です。
・ロゴの使い方、余白、カラー比率
・よく使う言葉や言い回しのルール
・SNS、Web、紙媒体の連携ルール
私たちも、単なるデザイン制作だけでなく、ブランドトーンの設計・共有ルールづくりまで支援することを重視しています。
ブランドの“棚卸し”と定期的なアップデート
・数年前に作ったままのツールやWebサイトを見直す
・現場や顧客から見た「ズレ」を拾う
・ストーリーや価値訴求の表現をアップデートする
ブランドは環境や社会の変化とともに、定期的に見直し、育てていくべきものです。
まとめ:ブランドの弱さは“伝え方の弱さ”
ブランディングが弱いと、どれだけ良い商品やサービスがあっても、選ばれない・伝わらない・記憶に残らないという壁にぶつかります。
その背景には、
・らしさの不明確さ
・情報設計の未整理
・表現のバラつき
・更新の滞り
といった課題が隠れていることが多くあります。
ブランドとは、見た目ではなく「伝わり方の設計」です。
私たちは、ブランドがより強く伝わり、長く選ばれ続けるためには、こうした“伝え方”の再設計が不可欠だと考えています。