
シンプルすぎるデザインはNG?「わかりやすさ」の正解
スッキリしたデザインは好印象。
でも、シンプルにしすぎると、かえって「伝わらない」こともある——。
“シンプル=正解”という思い込みが、情報不足や不親切な体験を生むケースは意外と多いものです。
この記事では、ビジネスやブランドにおける“わかりやすいデザイン”とは何か、シンプルの落とし穴と、ちょうどいい「情報設計」の考え方をご紹介します。
目次[非表示]
シンプルにすればするほど、伝わる?
たしかに、装飾過多なデザインはノイズが多く、主張がぼやけます。しかし、だからといって“とにかく削る”のが最善とは限りません。
過度なシンプル化の例
・キャッチコピーしか書かれておらず、結局どんな商品か分からない
・アイコンだけで説明しようとして、意味が読み取れない
・空白が多すぎて、見たい情報が見つからない
削ることで「伝えるべきこと」までそぎ落としてしまうと、本末転倒です。
「わかりやすさ」は“受け手目線”で決まる
デザインの目的は、伝えること。つまり、“つくり手が分かっている”ではなく、“受け手が迷わず理解できるかどうか”がポイントです。
・初見の人にも伝わるか?
・補足情報なしでも判断できるか?
・どの順番で読んでも流れがつかめるか?
シンプル=少ない、ではなく、理解がスムーズかどうかが本質です。
わかりやすいデザインに必要な要素
「情報の優先順位」を見せる
・すべてを均一に並べず、「何をまず見せたいか」を整理する
・大きさ、色、配置などで“主従関係”を表現する
「補足」があることで伝わることもある
・見出しだけでなく、小見出しやキャプションが理解を助ける
・アイコンや図解にテキストを添えることで誤解を防ぐ
「視線の流れ」を設計する
・目線の動きに合わせて、読み進めやすいレイアウトにする
・無意識に次の情報に導かれるような配置にする
視線の動きもまた、「伝わる」デザインにおける大切な設計要素です。
ブランドにとっての“わかりやすさ”とは?
「機能説明が明快」「料金が見やすい」などの情報整理ももちろん大切ですが、ブランドにとっての“わかりやすさ”はそれだけではありません。
・トーンや世界観が一貫しているか?
・「このブランドらしい」と感じてもらえるか?
・見た瞬間に「どんなスタンスの会社か」が伝わるか?
ブランドにとってのデザインは、単なる情報の並べ方ではなく、印象を届けるための手段です。
まとめ:「シンプルにする」ではなく「伝わる形に整える」
情報を減らすことがシンプルではなく、伝わるために最適な情報量と順序を整えることが本質です。
・要素を削るのではなく、優先順位をつける
・雰囲気を伝えるのではなく、印象を設計する
・自分の中で“分かっている”のではなく、相手が“すっと理解できる”状態をつくる
私たちは、シンプル=省略ではなく、「伝わるために磨かれた構造」だと考えています。
見た目の印象だけで判断するのではなく、「どうすれば伝わるか?」を出発点に、デザインを見直してみませんか?