
売れるブランドに共通する「顧客インサイト」の活用方法
「顧客のニーズには応えているはずなのに、なぜか響かない…」
「ターゲットは絞れているのに、選ばれない理由が分からない」
そんな悩みを抱えている方にこそ知ってほしいのが、「顧客インサイト」の視点です。
インサイトとは、表面的な要望ではなく、人が無意識に抱えている“本音”や“真の欲求”のこと。
売れているブランドは、このインサイトをうまく見つけ出し、活用して価値提案を行っています。
この記事では、顧客インサイトとは何か、どう見つけてどう活かすのかを、ブランドマーケティングの視点で解説します。
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「顧客インサイト」とは何か?
顧客インサイトとは、消費者自身も気づいていない“本当の動機”や“心のツボ”のことです。
・顕在ニーズ:言語化された「○○が欲しい」「△△したい」
・潜在ニーズ:まだ明確ではないけれど、心の奥にある欲求
・インサイト:表面のニーズの背後にある「なぜそう思うのか」という本音
例)「料理が面倒」→ 顕在ニーズ 「手軽に作れるレシピが欲しい」→ 潜在ニーズ 「自分の時間がもっと欲しい」→ インサイト
ブランドは、このインサイトに寄り添うことで、「自分のことを分かってくれている」と感じさせる存在になれます。
インサイトが響くと、なぜ売れるのか?
共感が生まれ、心が動く
「そうそう、これって私のこと!」と思わせるブランドは、機能や価格以上に感情で選ばれます。
差別化につながる
競合も似たような商品や機能を持っていても、インサイトに基づいた提案は“理由が明確”で、選ばれやすくなります。
ブランドのファンが育つ
インサイトに応え続けるブランドは、「この会社、わかってる」と信頼され、長期的な関係性=LTV(顧客生涯価値)の向上にもつながります。
売れるブランドがやっている、インサイトの見つけ方
顧客の「つぶやき」に耳を澄ます
・SNSの投稿、レビュー、アンケートの自由回答欄などに出てくる“感情のにじむ言葉”
・「でも」「やっぱり」「なんか…」などの“あいまいな本音”
データでは拾いきれない「ニュアンス」こそ、インサイトのヒントです。
購入前後の行動や気持ちを観察する
・どのタイミングで悩んだか?
・決め手になったのは何か?
・使った後にどう感じたか?
行動の前後にある「躊躇」や「満足」の理由に注目すると、インサイトが見えてきます。
顧客に“なりきる”体験をする
・顧客視点で店舗、サイト、導線を体験する
・スタッフとのやり取りを録音、記録してみる
・商品選びにかかる時間や迷い方を分析する
インサイトは、顧客の立場になって“空気”を感じることで見えてきます。
インサイトを活かしたブランドづくりのポイント
訴求軸は「スペック」より「気持ち」
×:○○成分配合、△△分で完了! ○:「忙しい朝でも、ゆっくり深呼吸できる時間を」
コピーやデザインに「自分ごと感」を入れる
・第三者目線で語るより、感情に近い言葉を選ぶ
・「あなたの〇〇を応援します」など、語りかけのトーンで
商品やサービスに“共感の接点”を組み込む
・使い方の提案が「自分の生活に近い」こと
・顧客の背景を想定したストーリー展開や導線設計
まとめ:ブランドは“気持ちに寄り添えるか”で選ばれる
顧客インサイトは、数字では測れないけれど、選ばれる理由の本質にあるものです。
・「買いたくなる気持ち」はどこから生まれるのか?
・どうすれば「共感されるブランド」になれるのか?
私たちは、ブランドの立場から一歩踏み込んで、顧客の体験や感情に目を向ける設計を大切にしています。
スペックや価格で勝負するだけではなく、「気持ちを理解してくれるブランド」を目指して。
まずは、目に見えない本音に耳を傾けるところから始めてみませんか?