
ブランドアイデンティティを確立するには?成功のための5ステップ
見た目だけじゃない。「そのブランドらしさ」は、どうつくる?
ブランドが多様化する今、ただ名前やロゴがあるだけでは差別化はできません。
本当に伝わるブランドには、「その企業・サービスらしい」印象や振る舞いが一貫して存在しているものです。
それこそが「ブランドアイデンティティ」。
この記事では、ブランドアイデンティティの定義と、確立するための5つのステップを、実務に即した形でご紹介します。
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ブランドアイデンティティとは?
ブランドアイデンティティとは、ブランドの核となる価値観・世界観・表現の一貫性を示すものです。
・私たちは何者か(理念・ミッション)
・どう見せたいか(視覚的表現)
・どう思われたいか(言葉・語り口)
・どう行動しているか(ふるまい・体験)
これらが“ブランドらしさ”として統一されていれば、お客さまや社会にとって信頼や親しみが積み重なっていくブランドになります。
ブランドアイデンティティを確立する5つのステップ
ステップ1:ブランドの“根っこ”を明確にする
まずは、ブランドの価値観や存在意義を再確認するところから始めます。
・なぜこのブランドを立ち上げたのか?
・社会や顧客にどんな価値を届けたいのか?
・どんな未来像を描いているのか?
ここでの答えが、後のすべての表現・設計の“土台”となります。
ステップ2:ターゲットとポジションを定める
誰に届けたいのか、その中でどんなポジションを取りたいのかを明確にします。
・ペルソナ(理想の顧客像)を設定する
・競合との違いや、自社ならではの強みを整理する
・どんな感情や印象を与えたいかを言語化する
このステップを踏むことで、「選ばれる理由」に直結するアイデンティティ設計が可能になります。
ステップ3:言語と視覚の軸を設計する
ブランドアイデンティティは、「言葉」と「見た目」の両方で伝わる必要があります。
・ブランドステートメント(理念や価値の一言化)
・トーン&マナー(語り口、キーワード、表現ルール)
・ロゴ、カラー、フォント、写真の方向性
目に見えるものだけでなく、語り方・伝え方の一貫性も重要です。
ステップ4:あらゆる接点に展開する
設計したアイデンティティは、実際の「タッチポイント」で機能してこそ意味があります。
・Webサイト、SNS、広告、パンフレット、名刺など
・接客マニュアル、メール署名、営業資料など
・採用広報、イベント、動画、商品パッケージなど
表現が整っているだけでなく、「体験としてブランドらしい」と感じられることがポイントです。
ステップ5:運用と見直しの仕組みをつくる
ブランドアイデンティティは一度作ったら終わりではありません。
・ガイドラインやテンプレートで表現を標準化する
・社内外でアイデンティティの共有、教育を行う
・環境やターゲットの変化に応じて定期的に棚卸しする
継続的に“使われる設計”があってこそ、ブランドは育っていきます。
まとめ:アイデンティティは“共通言語”になる資産
ブランドアイデンティティとは、見せ方の話ではなく、“どう在るか”を定める設計図です。
そのためには、
・理念や目的といった「根っこ」を明確にし、
・誰に、どう届くかの戦略を定め、
・言語と視覚の両面で“らしさ”を表現し、
・実務に落とし込み、日常的に運用されること
が求められます。
ブレずに、でも変化に応じてしなやかに育つブランドを目指すために——。
ブランドアイデンティティの設計は、企業の未来を支える強固な土台になります。